活動報告

議会・委員会活動

令和3年2月臨時議会

この度、令和3年2月臨時議会において、下記の質問を行いました。

1.感染拡大防止対策について
(1)大規模PCR検査について
ア 県民の理解と実施時期について
イ 検査に係る周知方策と受検率の向上について
ウ 検査体制の早急な構築について
エ 効果検証の実施について
(2)新型コロナウイルス感染症拡大防止協力支援事業について

2.経済対策の充実について
(1)飲食店の関連事業者等への支援について
(2)頑張る飲食事業者応援事業について


1.感染拡大防止対策について

(1)大規模PCR検査について

ア 県民の理解と実施時期について

●現在、広島市内の感染状況が改善傾向にある中、このタイミングでの大規模PCR検査を実施する必要性について、どういった判断基準のもと、実施すべきと判断したのでしょうか
●現在よりもさらに感染状況の改善が進んだ場合、実施スケジュールを見直す可能性はありますか
●検査に対する県民のさらなる理解促進が不可欠と考えるが、予定している2月中旬まで時間的余裕がない中、どのようにして理解を得ていくのでしょうか
知事
今般のPCR検査の集中実施の対象地域となっている広島市の感染状況につきましては、10万人当たりの新規報告数、全療養者数、いずれも警戒基準値を上回っておりますため、今後、感染が再拡大いたしますと、飲食だけでなく、関連産業や医療体制などへの影響がさらに長期化するおそれがあり、社会経済活動を1日も早く回復させるには、感染経路を可能な限り断ち、確実に感染拡大を抑え込む必要がございます。

  このため、広島市中区など、4区の居住者並びに事業者の皆様を対象に、無症状者や軽症者を把握するべくPCR検査を実施することとしたものであり、多くの方に受検いただきたいと考えております。
事業実施に当たりましては、「警戒基準値」を注視した上で、医療提供体制、感染経路不明の割合などの指標も踏まえ、スケジュールを組み立てるとともに、対象地区の居住者、事業者の皆様に、個別にポスティングを行うほか、SNSやホームページなど様々な媒体を活用して、事業の趣旨などについて理解いただけるよう周知してまいります。

イ 検査に係る周知方策と受検率の向上について

●大規模PCR検査の対象者が73万人と膨大である上、周知期間も極めて短いことから、戦略的な視点でもって対象者に周知する必要があると考えますが、どのように効果的な広報を行うのでしょうか
●事業効果を上げるための前提として、受検率をできるだけ向上させる努力が求められますが、就業者や、大学生・専門学校生などの若い人にも積極的に検査を受けてもらうため、どのように取組を徹底していくのでしょうか。
健康福祉局長
集中検査の実施に当たりましては、居住者の方や事業所に対する個別のポスティングや、県のホームページへの掲載のほか、若年者をターゲットとしてSNS等の媒体を活用するなどにより、効果的な広報に努めてまいります。
また、引き続き、医療関係者と緊密に連携しながら、さらに今後は、商工関係団体や企業経営者、学校関係機関の協力も得ながら、就業者や学生の積極的な受検について、呼びかけてまいります。

再質問1

経営者が積極的には従業員に検査を受けさせないことも予想されますが、経営者の方に対してどのような広報を行うのでしょうか、具体的な実施策をお伺いします。
健康福祉局長
感染者が再拡大しますと、飲食だけでなく、関連産業や医療体制などへの影響がさらに長期化するおそれがあり、社会経済活動を1 日も早く回復させるには、感染経路を可能な限り断ち、確実に感染拡大を抑え込む必要があります。
この趣旨をしっかりと伝えるとともに、集中検査の実施に当たりましては、県のホームページや、 S N S 、ポスティングなど様々な媒体を活用して事業の趣旨等について理解いただけるよう周知するとともに、商工関係団体の協力も得ながら、積極的な受検を呼びかけてまいりたいと考えております。

再質問2

大規模PCR検査については、全体の約4割に当たる約28万人が検査を受けると見込んでいますが、居住者と就業者の割合は、どのような算定方法としているのかお伺いします。
健康福祉局長
平成27年の国勢調査によりますと、広島市4 区内の就業者は約37万人であり、それ以外を居住者とした場合、約36万人でほぼ同数でございます。
抗体陽性率調査での受検率などから、受検率を4割とすると、居住者と就業者それぞれ約14万人となります。

ウ 検査体制の早急な構築について

今後、具体的にいつまでにどのような検査体制を構築していくのか、また、万全の体制を整えるためには、自宅療養者向けのパルスオキシメータも準備しておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
健康福祉局長
PCR検査の集中実施に向けましては、現在、検査会場の確保や予約システムの構築、検査能力の確保、感染者のホテルへの誘導など、様々なオペレーションの整備を進めているところであり、その詳細につきましては、まとまり次第、県民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えております。

  特に、検査能力につきましては、既存の検査体制に影響を及ぼさないよう、県内外の検査機関において、1日当たり最大8、000件の検査能力を確保するとともに、複数の検体を同時に検査する「検体プール検査法」により、検査の迅速化とコスト削減を図ることとしております。

  また、この事業により顕在化する感染者のほとんどは、無症状や軽症であるため、原則、宿泊療養をお願いすることになりますが、家庭の事情により、自宅で療養せざるを得ない方も想定されます。

  御指摘のあったパルスオキシメータの活用につきましては、現在、ホテルの療養者一人一人に配付して日々のバイタルチェックを行っているところであり、自宅療養者への配付についても、広島市や医師会等の意見も聴きながら検討してまいります。

エ 効果検証の実施について

大規模PCR検査の効果検証をどのような手法で行い、どのくらいの期間でその結果を公表していくのでしょうか、知事にお伺いします。
知事
PCR検査の集中実施につきましては、無症状や軽症の感染者を見つけて感染の経路を遮断し、積極的疫学調査により感染拡大を防止できる水準まで感染レベルを抑え込むことを目的としております。

  実施に当たりましては、無症状の市中感染者の実態など、得られた様々な情報を多角的に分析し、今後の感染対策に活用していくため、大学の公衆衛生や疫学の専門家のほか、国立感染症研究所など有識者の助言を得て、この事業の効果検証を行い、検証結果などにつきましては、分析終了後速やかに公表してまいります。

(2)新型コロナウイルス感染症拡大防止協力支援事業について

県では、2020年12月17日以降、これまで3回にわたり飲食店に営業時間の短縮等を要請し、現在は、広島市内の感染者数も減少し、ステージⅣから大きく改善しています。
今回は、広島市内の酒類提供する飲食店に限定され、営業時間も1時間遅くし、20時までに緩和する内容となっており、県では要請を段階的に解除することで、確実に感染拡大を抑えこむとしています。
しかし、マスクを外して会話しながら食事する場合と、酒を飲み会話する場合の感染リスクは、疫学的に見て大きな差があるのか、疑問に感じております。

●酒類を提供する飲食店のみを対象とする、その根拠を知事にお伺いします。
●今回の臨時議会終了後に、感染状況や専門家の意見を踏まえ、正式に実施を決定するとしていますが、具体的には何を指標として判断されるのかお伺いします。
知事
新型コロナウイルス感染症の対策に当たりましては、国の分科会において、様々な調査や分析が進められ、感染リスクが高まる5つの場面として大きな声になりやすい飲酒を伴う懇親会や、大人数や長時間に及ぶ飲食が挙げられ、注意喚起が行われているところでございます。

  本県におきましては、12月初旬には飲食などを起因とする感染者の割合が急増し、飲酒を伴う場面での感染が強く推定されるケースも多くみられたことから、12月12日からの集中対策では、広島市の飲食店に対して、アクリル板等の設置や十分な換気など、飛沫感染予防対策の徹底を要請するとともに、12月17日から酒類の提供時間及び営業時間の短縮を要請したものでございます。

  現在、本県の感染状況は改善傾向にございますが、他の自治体では時間短縮の要請を解除した後、感染が再拡大した事例も見られることや、件数、割合とも増加している家庭内や職場における感染が再び飲食店を通じて広がる可能性があることから、対策を一気に緩めるのではなく、段階的に緩和していくべきと考えております。

  また、2月8日以降の要請につきましては、積極的疫学調査による封じ込めでコントロールできる水準であると考える「警戒基準値」を安定して下回ることを目指しつつ、医療提供体制、感染者の増加状況、感染経路不明の割合を勘案し、また、専門家の御意見も踏まえ、総合的に判断したいと考えております。

2.経済対策の充実について

(1)飲食店の関連事業者等への支援について

先日、我が会派から知事へ要望しております経済対策として、本県においても、飲食店の関連事業者や観光関連事業者など幅広い業種を対象とした独自の経済支援策を早期に実施すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。
知事
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、全国各地において、飲食業をはじめとした様々な事業者において、売上が減少し、労働者の収入減や有効求人倍率の低下など、極めて深刻な影響が発生しているものと認識しております。

  このため、飲食店の取引先など幅広い業種への支援に関しましては、国で検討中の緊急事態宣言の再発令に伴う一時金の支給について、緊急事態宣言発令地域に限らず、
・ 営業時間の短縮要請を行った地域にある飲食店の取引先や
・ 不要不急の外出や移動の自粛により影響を受けた事業者の皆様
にも、同様に当該一時金の支給対象とするよう、本県を含む13道県の連名で国への緊急提言を行い、さらに、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充などについても、全国知事会の農林商工常任委員会委員長として、緊急提言を行ったところでございます。

  このたびの、頑張る飲食事業者応援事業は、これまでの集中対策により、広島市域に限らず県内全域で売上が大幅に減少し、大変厳しい状況下にあるため、まずは飲食店等を支援することとしたものでございます。

  本県といたしましても、今後、国の動向も見極めながら、飲食事業者以外の方々への支援についても、検討してまいりたいと考えております。

(2)頑張る飲食事業者応援事業について

この事業では、一人で経営するお好み焼き屋さんでも、従業員を何人も抱えるレストランや居酒屋であっても、店舗数が変わらなければ支援額は一律30万円です。
また、年末年始の忘年会や新年会の利用客が例年の9割減といった大手飲食店もあったと聞きますが、対象は中小企業のみです。
飲食店では家賃の支払いや従業員の給料はもちろんのこと、利用客が少なくても、魚や野菜などの生鮮食材を毎日仕入れておく経費も発生します。特に、海鮮料理を出す店などは、この支援額で本当に助かるのか疑問です。町の小さな飲食店は助かるかもしれませんが、規模の大きい飲食事業者にとっては、少なすぎるのではないでしょうか。
コロナ前の売上や店舗規模に応じて、例えば10万円から100万円など、支援額に幅を持たせても良いのではないかと思います。
三次市の独自事業では、売上の減少率によって、給付額に差を設けています。

●そこで、この事業のスキームを固める上で、地域の窮状等の実態を把握する必要があると思いますが、どのような調査をされているのか、知事にお伺いします。
●また、飲食店の店舗面積や従業員数などの規模や、売上の減少など、個々の事業者の経営事情を踏まえて支援額に差を設けるなど、制度設計上の工夫があってもよいと考えますが、併せて見解をお伺いします。
商工労働局長
12月から飲食店や飲食の場に的を絞った集中対策を実施してきたところでございますが、この集中対策の県経済への影響を把握するため、
・ 県内中小企業に対する経営環境の調査、
・ 県内市町との意見交換、
・ 国や経済団体等で構成する経済専門家委員会の有識者からの意見聴取、
・ 各商工団体の経営相談窓口や、広島県協力支援金センターなどに寄せられた声の把握、 などを実施したところ、飲食店等については広島市内に限らず、県内全域で売上が大幅に減少するなど極めて厳しい状況であることを確認いたしました。

  このため、今回の、頑張る飲食事業者応援事業につきましては、スピード感をもった対応が必要であると考えております。

  その設計に当たりましては、より個々の事業者の経営実態に即するため、国の制度では、事業者単位となっているものを、本県においては、店舗単位での支給とするとともに、事業者からの申請手続きをなるべく簡略化することにより速やかな支給を進めるため、 支援額を一律30万円としております。
引き続き、この支援制度の周知とともに、しっかりと事業者支援に取り組みたいと考えております。

独自の経済対策について(再質問)

第3次補正の地方創生臨時交付金の増額分や交付金の整理を財源に、宮崎県や静岡県などが行っている納入業者等に対する独自の経済対策を広島県として行うことは可能なのでしょうか。

国の追加交付金の状況を踏まえながら、感染拡大防止と社会経済活動を両立するための施策に有効活用してまいりたいと考えております。その中で、今後飲食事業者以外の方々への支援につきましても検討してまいりたいと考えております。

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