G7広島サミットでの平和への取組について
来年5月19日から3日間、主要7カ国等の首脳によるG7サミットが広島市で開催される事が決定しました。
先の質問で触れましたが、NPT再検討会議で最終文書の合意採択ができず、今後の核廃絶への道は大変険しくなった世界情勢の中でG7サミットが被爆地広島で開催される事、そして米国、フランス、イギリスの3カ国の核保有国を含め、主要7ヶ国等の首脳が出席することは大変意義があります。
6月の定例議会で石津県議のG7サミットの平和発信の質問に対し知事は『県としてG7サミットという好機に、平和のシンボルとしての広島の場の持つ力を生かし、様々な主体と力を合わせて、核兵器廃絶の実現に向けた具体的な進展への新たな一歩が踏み出せるよう、しっかりと取り組んでまいります』と答えられました。
私達、公明党はさらに踏み込み、この機会に各国首脳に被爆の実相に触れ核廃絶に向けた共通した思いを抱く機会として、平和記念資料館の見学と被爆者との面談を要望するものです。
- 尾熊委員
このG7広島サミットに向けて、各国首脳の平和記念資料館の見学と被爆者との面談、そして核兵器の先制不使用に対する参加首脳からメッセージの発信など、県として積極的に政府や参加関係国に働き掛けてはどうかと思いますが、知事のご所見を伺います。 - 湯﨑広島県知事
核兵器廃絶に向けた情勢が、かつてないほど厳しい状況の中、主要国の首脳が集うG7サミットが、広島の地で開催されることは、参加国のみならず、国際社会全体にとって、核兵器の非人道性とその廃絶の必要性について、改めて認識していただく絶好の機会になるものと考えております。このため、サミット参加国の首脳には、平和記念資料館の訪問や、被爆者との対話を通じて、被爆の実相に触れることにより、核兵器の非人道性を深く認識していただき、核兵器廃絶に向けて、国際社会に対する力強いメッセージの発信と具体的な行動を起こしていただくことを強く期待しております。
こうした中、先般7月、私が米国を訪れた際に、米国政府関係者と面会し、バイデン大統領をはじめ、各国首脳による平和記念資料館の訪問や被爆者との対話が実現するよう協力を要請し、一定の理解も示されたところでございます。
また、8月のNPT運用検討会議の前に「ひろしまラウンドテーブル」議長声明を、さらに会議終盤の8月下旬には、最終文書の採択を要請する緊急メッセージを、すべてのNPT締約国に送付し、核兵器の「先制不使用」政策を含む具体的な行動の提案を行ったところでございます。
残念ながら、運用検討会議において、最終文書の採択はなされませんでしたが、こうした厳しい状況の中で、広島でのサミット開催は、核軍縮に向けて停滞した機運を再び高めていく契機になるものと考えております。
こうしたことを踏まえ、県といたしましては、日本政府に対して、まずは広島サミットにおける各国首脳等による平和記念資料館の訪問や被爆者との対話の実現を強く働きかけてまいります。また、核軍縮や核兵器廃絶に係る具体的な議論を進展させるため、日本政府として、強いリーダーシップを発揮していただくよう、施策提案などの機会を捉えて、積極的に要望してまいります。
今後とも、サミット参加国をはじめ、国際社会全体が、核兵器廃絶への関心を高め、具体的な行動を起こしていくよう、政府とも協力しながら、広島サミット開催という好機を最大限生かせるよう、取り組んでまいります。