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議会・委員会活動

農林水産委員会 質問②「今後の県農政の目標見直しや施策充実について」

国の改正農業基本法成立から、食料自給率向上に向けた生産量拡大と生産性向上など今後の県農政の目標見直しや施策充実について質問致しました。

【改正農業基本法の成立について】

農政の憲法と言われる食料安全保障の確保を基本理念とする改正食料・農業・農村基本法が、先月5月29日に国会で可決成立しました。
この基本法は、1999年以来、四半世紀を経て初めて改正され、政府与党は今後改正法に沿った具体的な施策や予算を検討するというふうに報道されております。

また、私は、2月の定例議会の代表質問で、戦争や紛争また気候温暖化の影響による世界食糧危機が叫ばれる中で、この基本法改正の動きなどから、県の食料自給率の向上や安定供給に向けて生産性向上、そして海外なども含めた市場拡大に向けた農業事業者の支援について質問をさせていただきました。

知事からは、本県農業の特徴や優位性を生かした取組強化や、事業者支援の方向性を示す前向きな答弁と認識しましたが、具体的な施策の答弁はありませんでした。

そういった中で、今回の改正基本法の成立によりまして、食料の安全保障の確保を基本理念に掲げていますが、減少し続ける農業生産額、そして食料自給率、またそれを支える農業従事者や農地面積の減少問題など、持続可能な供給、また食料価格の形成や生産性と付加価値向上による農業の持続的発展、そして輸出による食料供給能力の維持など、今回の改正基本法の成立は農政転換のスタートと言われております。

(尾熊)
そこで、県は改正基本法により国の農業政策の何がどのように変わると認識されているのか、お伺いします。
また、担い手不足や肥料、飼料、資材の高騰、また物価高の中で、生産者の価格転嫁が難しいという問題や、人口減少が進む中で消費の拡大など、多くの課題を抱える現場の農業生産者にとっては、何がどのように変わり、どのような希望や期待が持てる農業になるのか、お伺いします。
(農林水産総務課長)
今回の改正法は、世界及び我が国の食料を巡る情勢が大きく変化していることや、我が国における人口減少、また農業及び農村を巡る諸情勢の変化に対応して、食料安全保障の抜本的な強化、環境と調和のとれた産業への転換、人口減少下における農業生産の維持発展と、農村地域コミュニティーの維持を柱としまして、基本理念の見直しと関連する基本施策等が定められておりまして、今後、食料安全保障の強化などに向けて農業の構造転換を図るための施策が集中的に実施されるものと承知をしております。

  この中で、農業の持続的な発展のための基本理念には、生産性の向上、付加価値の向上により、農業の持続的な発展が図られなければならない旨が追記され、基本施策として多様な農業者における農地確保、農業法人の経営基盤の強化、スマート農業技術等を活用した生産性の向上、農産物の付加価値の向上などが掲げられておりますが、
これらは土地条件が不利な中で持続可能な農林産業の実現を目指して、2025広島県農林産業アクションプログラムで本県が取り組んでいる施策と同様の方向であり、今後、改正基本法の具体的な施策が中山間地域多く抱える本県の農業農村政策の後押しとなるものと考えております。

  また、今後の法整備に向けて検討が進められる合理的な価格形成のための仕組みづくりについては、非常に難しい課題であると認識しておりますが、国策として広く消費者の方々へも食料供給の背景を理解していただき、食料の選択を通じて持続的な食料供給に関わっていただけるような議論が進むよう、6月の政策提案で国に対して要望を行ったところであり、生産コストが上昇する中、生産者の所得確保に向けた新たな取組にも期待をしているところです。

(尾熊)
今、農林水産アクションプログラムという取り組みの中で、方向性が同じ部分もありますし、新たな挑戦といい意味でも国の方向性に従って変えていく、転換していく、そういった施策があるのかと考えます。
県は、この改正をどのように受け止めておられるのか。
そして、県農政や、先ほど言われた方針、方向性の見直しなどの転換はあるのか。

  また、今後の新たな施策に向けた県の検討やその事業の計画や、そういった実施時期などの検討があるのか、お伺いします。

(農林水産総務課長)
今国会で成立しました改正基本法及び関連3法案に加えまして、年度内に策定される食料・農業・農村基本計画、さらに基本計画の作成と並行して進められる食料の合理的な価格形成や、農業インフラの保全管理に関する法制化など、改正法の具体化に向けた国の動向をしっかり注視し、動きがあれば節々で農林水産委員会へも報告をさせていただきたいと考えております。

  繰り返しになりますが、改正法における生産性の向上などに向けた取組の方向性は、これまでの県の取組と一致していると考えており、引き続き儲かる農業に向けた取組は強化してまいりたいと考えておりますが、食料安全保障の強化など、全国を視野に入れた施策において、広島県がどのような貢献ができるのか、次期アクションプログラムの策定に合わせて検討をしてまいります。

  今年は現行の2025アクションプログラムの4年目を迎えており、次期計画の策定に向けて、これまでの振り返り等にも着手しておりますので、その中で議論を進めてまいりたいと考えております。

(尾熊)
これから国においてもこの改正基本法により事業化や予算化が、具体的に検討されるわけですけが、地域の特徴を生かして、地域に合った農業政策が当然重要と考えます。
そして、今回の改正基本法から、一方的な事業施策を計画事業化進めるのではなくて、地域事情や農作物に合わせた生産性向上と生産拡大に向けた生産者支援や、輸出も含めた消費拡大に向けた農業政策の大きな転換も必要と考えます。

  そこで、農業生産者側の課題や消費者のニーズなど、しっかり現場の声を聞いた上で、この改正基本法から農業政策を転換していくことも重要と考えます。その上で、広島県の農業の現状課題をどのように捉えて、今後、この課題を解決していく上で改正基本法により広島県の農業政策を、どのように展開し進めていったらいいと考えられているか、進めようとされているのか、農林水産局長にお伺いします。

(農林水産総務課長)
改正基本法を踏まえた今後の県の農業施策につきましては、次期アクションプログラムを見据えまして、現在、現場の生産者や市町、また関係団体の声を改めてお伺いしているところです。

  農業の課題認識としては、御指摘のように資材高騰が続く中での新たな担い手の確保、また農産物の価格形成などに加えまして飼料や肥料などを過度に輸入に依存しない仕組みづくり、また頻発する災害への対応なども、今後、ますます重要になるものと考えております。

  また、これまで本県が重点的に進めてきました経営力の高い企業経営体の育成、人口減少が進む中での中山間地域に適したスマート農業の普及を、基盤整備と併せて着実に行い生産性を高めること。こうした取組を今後の国の基本計画に基づく施策を効果的に活用して実施することで、県民への食糧供給を担う農業生産の基盤をしっかりと築いてまいりたいと考えております。

  さらには、本県独自の取組であります食のイノベーション推進事業や、今年度から取り組んでいる「おいしい!広島推進事業」によりまして、マーケットインの視点を生かした稼ぐ力の向上や、ブランド力強化による高付加価値化、また観光客も含めた消費拡大を、より一層進めていく必要があると考えております。

  そのほかにも、環境に配慮した生産活動、県土保全に寄与する地域活動など、幅広くこれまでの施策を振り返り、現状をきめ細かく分析し、関係者の方々と議論を重ね、本県の地域性や農業構造を踏まえて、農業者が希望と誇りを持てる攻めの農業施策を展開してまいりたいと考えております。

要望(尾熊)

今、攻めの農業の展開ということで、期待したいと思います。
いずれにしても、農業生産者の声をしっかり聞く、そしてまた消費者の動向等、そういったことをしっかり把握した上で、今後も県の農業政策をしっかりと取り組んでいただきたいことを要望いたします。

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