昨年の12月補正で県独自の和牛繁殖経営改善緊急支援事業1億6,300万円の畜産農家の活用実態状況と成果について
質疑(尾熊)
県の畜産関係の補助金と、県の畜産協会の補助金の使用状況についてお伺いします。
昨年は子牛和牛の市場取引価格が大きく下落して、飼料高騰の中で畜産農家には経営難や、廃業の心配がされる畜産農家も出て、国の対策として子牛下落対策がありますが、広島県の取引価格の実態に反映されず、県内の畜産農家に対する国の補助支援がされていない実態がありました。
その中でそのため県では、和牛繁殖経営改善緊急支援事業として、昨年の12月補正で県独自の1億6,300万円の予算を組まれました。そして、昨年7月に遡り、今年令和6年3月まで和牛子牛の売買価格が採算の目安60万円を下回った畜産農家に対し、平均売買価格との差額4分の3を緊急的に支援する事業を行い、畜産農家からは経営難から大変助かったという、そういった評価の声もお聞きしております。
この緊急支援事業で、新たに県の事業の申込手続を行うこともなく、畜産農家に対しては広島県の畜産協会から支援交付金が生産者の指定口座へ直接交付されています。県畜産協会では、生産者による価格下落時や経営支援用の基金積立てもあるかと思いますが、前回の委員会での畜産協会の資料を見ると、県の12月補正の1億6,300万がどこに組み込まれ、どのように活用されたのか、資料を見ても非常に分かりにくいように感じました。
- (尾熊)
そこで、県の畜産協会の令和5年度の事業報告の中で県の予算をどこにどのぐらい入って、どのように活用されたのか、また県畜産協会から昨年7月から今年3月まで、実際支援金が支払われた畜産農家の経営体数と対象になった出荷頭数を把握されていればお伺いします。 - (畜産課長)
県の和牛繁殖経営改善緊急事業につきましては、国が措置をいたしました和子牛生産者臨時経営支援事業が広島県において十分に支援が届かない経緯がありましたことや、子牛価格の下落の底が見えなかったことなどから、昨年度12月補正で措置を頂いたところでございます。この予算につきましては、前回の本委員会で御説明をいたしました広島県畜産協会経営状況報告書3の令和5年度事業報告(1)の4の畜産振興事業の中に他の類似の項目とともに計上させていただいておりますけれども、この当該ページの中ほどに特記事項として、国が措置した関連事業とともに、県の受取実績額として4,236万円余が増えたことを注記させていただいております。一度に交付をするような事業となっていないということでございます。
この実績額は、令和5年7月から12月分を今年の1月と2月に支出していることから、5年度の実績として計上したものでございます。
一方、6年の1月から3月分につきましては、6年度の事業計画の同様の項に計上させていただいておりまして、特記事項に計画額1,780万円を記載させていただいたとおり、予定よりこの6月に支出が行われております。
この交付実績頭数でございますが、対象期間に子牛出荷のあった1,668万頭に対して交付されており、経営体数別では対象350経営体のうち260経営体、74%に交付をされております。
- (尾熊)
ありがとうございました。確実に生産者に届いているということで安心しました。
先ほども農作物の現状ということで、生産額の概況について説明がありました。その中でやはり子牛価格、昨年に続きこの和牛だったり、和牛子牛の取引価格が3月、4月、5月と下落が続いております。昨年よりもさらに一回り価格の下落が続いているわけですけど、今後市場価格の下落がまだ続くという予測されるとは思いますが、畜産農家にとっては継続的な支援が必要ではないかと思います。畜産協会の令和6年度の事業計画では、全体として5億7,000万円が予定されています。令和5年度の事業報告の7億円よりも減額になっております。
そこで、豚肉価格や和牛子牛取引額が大きく下落状態が続く状況の中で、畜産農家への支援は令和6年度事業計画で十分なのか、また財源は大丈夫なのか、また国の畜産農家に対する今年度の支援実態や県の畜産農家に対する今年度の支援はどのようになっているのかお伺いします。 - (畜産課長)
まず、令和6年度の事業計画の5億7,000万円と令和5年度の事業報告額7億円との差、1億3,000万円についてでございますけれども、5年度の報告額は、5年度の計画額に対し牛マルキンなどの国からの受取補助金が増えたことなどによって増となったものでございます。両者計画額ベース、予算額ベースで見てみますと、6年度が5年度に対して1億7,000万円増となっておりまして、事業計画が著しく縮小しているというようなことではないというふうには認識しております。また、御指摘の子牛価格につきましては、現状十分に回復をしていないというふうに認識をしております。そのような中、国は昨年度、基本対策であります肉用子牛生産者補給金制度の追加対策として、臨時的に措置をいたしました和子牛臨時支援金の後継事業、これは優良和子牛生産推進緊急支援事業と申しますけれども、これを令和6年度の当初予算で措置をし、加えて不公平感のありましたブロック算定につきましても、ブロック内において著しく高い取引は算定に含めないという同様の仕組みも継続しておるところでございます。
このようなことから、今年度におきましては、昨年度県が補正措置をさせていただきました本事業の代わりとなる新たな国事業が機能するというふうに見込んでおりまして、今後補給金執行状況を注視してまいりたいと考えております。
要望・質疑(尾熊)
生産者にとってみれば、和牛の下落が続く、また和牛の消費の減少が続くと大変な痛手になるわけで、しっかり支援のほう継続してお願いしたいと思います。